L-システインの研究
作用と特徴
L-システインは、長年医薬品として皮膚疾患などの治療薬として広く用いられており、様々な皮膚疾患に対する臨床成績や皮膚の色素沈着症についての臨床効果が報告されています。L-システインは体の内側から代謝を促すはたらきをもち、抗酸化作用もあるアミノ酸です。皮膚、髪の毛、爪などに多く存在しており、シミ・そばかす、肌荒れなどのトラブルの無いきれいな肌を保つ上で欠かすことができません。L-システインを含むシステイン(シスチン)*を多く含む食品としては、小麦、大豆、かつお節などが知られています。
- L-システインはシステインやシスチンという形で食品に含まれています。システインとは人の身体を構成するアミノ酸のひとつでL-システインとD-システインがあります。シスチンとは2つのシステインが結合したものです。
L-システインは「ターンオーバーを正常化」「体の代謝(エネルギー産生)をサポート」「抗酸化作用」の3つのはたらきにより、体の内側からシミ・肌荒れなどの肌トラブルを改善し、体の疲れ・だるさに効果を発揮します。
1. 肌の代謝(ターンオーバー)を正常化
L-システインは、肌の代謝(ターンオーバー)のサイクルを正常化するはたらきをもっています。これによりシミ・肌荒れなどの肌トラブルを改善し、きれいな肌へと導きます。
2. 体の代謝(エネルギー産生)をサポート
L-システインは、体の新陳代謝を促すことにより、体に必要なエネルギーを効率良く産生することをサポートします。エネルギー不足を改善することにより、全身倦怠(疲れ・だるさ)を軽減する効果があります。
3. 抗酸化作用
L-システインには、ストレスや紫外線などで生じた活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は増えすぎると、細胞にダメージを与え、肌トラブルなどを起こしてしまいます。L-システインは増えすぎた活性酸素を除去し、肌荒れ・ニキビなどの肌トラブルなどを改善します。
研究の歴史
エスエス製薬では、L-システインの研究に1967年ころから取り組んでいます。2011年3月の日本薬学会では、「紫外線誘発性色素沈着に対するシステインの作用 ―メタボロミクスによるアプローチー」と題し、紫外線誘発色素新着モデルにおいて、L-システイン投与群は、対照群と比較して有意な色素沈着抑制効果を示した研究結果を発表しました。また、2017年6月の第17回日本抗加齢医学会総会では、紫外線を受けたことによる色素沈着に対し、L-システインが、予防的、治療的どちらにも作用することが明らかになったことを報告しました。特に紫外線を受けているときのL-システイン投与が色素沈着を抑制するのに強く寄与していることが推察されています。
関連する研究発表など
- 2011年3月「紫外線誘発性色素沈着に対するシステインの作用@日本薬学会2011」
- 2017年6月「L-cysteineにおける色素沈着予防および治療効果の検証」
詳しくは「医薬関係者の方へ」にて
関連する医療関係者向け教育コンテンツ
ハイチオール 【エスエス製薬VODセミナー】 I-SOラーニング
― 代謝とL-システイン ~シミ、疲れのメカニズム~
詳しくは「VODセミナー講座」ページにて
MAT-JP-2500639-1.0-02/2025
最終更新日:2025.02.28