肩こりと頭痛の関係
その痛み、「緊張型頭痛」かも?
「肩こり」は日本でも多くの人がもつ一般的な悩みであり、
またそれに伴って緊張型頭痛を併発している場合もあります。
本コンテンツでは、そもそも肩こりとはどういう状態なのか、
なぜ肩こり痛が起きるのかといった基本的情報をはじめ、
肩こりからくる頭痛である緊張型頭痛について解説します。
そもそも「肩こり」は
どうして起こる?
首から肩、背中にかけてさまざまな筋肉がありますが、それらの筋肉がこわばり、だるさや重さ、疲労感などを感じる状態になっていることを「肩こり」といいます。また、この肩こりが要因となって生じる痛みが「肩こり痛」です。
肩こりの原因
人間の肩には腕や肩甲骨、頭部などの重さがのしかかっています。そのため、肩の筋肉には常に負担がかかりやすいのです。また、長時間同じ姿勢が続く生活を日常的に送っていたり、精神的なストレスが積み重なったりしても、肩周辺の筋肉(主に僧帽筋や肩甲挙筋)が緊張して硬くなり、肩こりへとつながります。
肩こり痛の種類
肩こり痛の種類には、大きく分けて「日常生活が原因の肩こり痛」と、「病気が原因の肩こり痛」があります。
日常生活が原因の肩こり痛は、姿勢の悪さや運動不足、ストレスや眼精疲労といったように、日常生活における習慣がもとで引き起こされる肩こり痛を指します。そのため、原因となる生活習慣を自ら改善することで、症状の解消や緩和を目指すことができます。
一方、病気が原因の肩こり痛は肩や関節の異常、「頚椎症」や「椎間板ヘルニア」といった首や背中の病気のほか、「狭心症」や「心筋梗塞」といった内臓の病気でも引き起こされる肩こり痛です。病気が原因の肩こり痛の場合には、根本となっている病気へ対処するために、医療機関での受診や治療が必要です。
肩こり痛の症状
首の付け根や肩から背中にかけての強張っている感じとともに、痛みが生じます。また、肩こり痛が起きているときには頭痛やめまい、吐き気や倦怠感、腕や手のしびれなどがあらわれることもあります。
「日常生活が原因の肩こり痛」を緩和するための対策
肩こり、およびそれに伴って起こる肩こり痛を緩和するためには、以下のような対策を日常生活の中で心がけましょう。病気が原因の肩こり痛の場合には医療機関の受診が必要ですが、日常生活が原因の肩こり痛であれば、症状を和らげられる可能性があります。
長時間、同じ姿勢を続けないよう注意する
座りっぱなしのデスクワークであれば時々、立ち上がってストレッチをする、少し歩いてみるなどを心がけましょう。職務上、同じ作業を続けなければならないような状況であっても、適度に休憩を入れることが大切です。また、車の運転でも1~2時間に1回の頻度で休憩を入れるとよいでしょう。
悪い姿勢を正す
もし猫背気味であったり、「スマホ首(ストレートネック)」といわれるような、スマートフォンなどのデバイスの使い過ぎで首の骨(頸椎)が常にまっすぐな状態になっていたりという場合には、それらの悪い姿勢を意識的に改善しましょう。
例えば立っているときには、頭頂部が上から吊るされているようなイメージをもち、背筋を意識的に伸ばすようにします。また、外で歩いているときに店舗のガラスなどに映る自分の姿をチェックして、猫背になっていないか確認する習慣をつけることをおすすめします。
目を休ませることも大切
眼精疲労も肩こり痛の原因となるため、スマートフォンやパソコンの使いすぎに注意しましょう。プライベートでの電子デバイスと向き合う時間を可能な範囲で減らすほか、仕事で使う場合でも長時間画面を凝視しすぎるようなことは避けましょう。適度に目を休ませ、必要に応じて目薬を活用するとよいでしょう。
また、特に夜眠る前にスマートフォンを使いすぎると目がさえてしまい充分に眠れず、疲れにつながってしまうことがあります。
適度な運動を心がける
普段から運動する習慣をつけておきましょう。ウォーキングやストレッチなど、軽度な運動であっても日常的におこなえれば、首まわりや肩の筋肉がこり固まることの防止につながります。仕事中でも、例えばその場で両肩を上げ下げする、首を軽く回してみるというような対策で、筋力をつけ、血行を促すことを心がけましょう。
心のストレスをためこまない
身体的なストレスだけでなく、心のストレスでも肩こり痛は起こります。悩みや心配事があって慢性的にストレス過多となっている場合や、睡眠不足などで気分の晴れない日が続いているといった場合には、状況の改善を目指しましょう。
こっている部分を温める
こりを感じる部分を蒸しタオルやシャワーのお湯などで温め、血行を促します。注意点として、ひどい肩こり痛が起きているときには肩周辺の感覚が鈍っている場合があるため、熱すぎる温度でのやけどには充分に気をつけましょう。
枕が合っているかチェック
普段使っている枕が、首に不自然な負担をかけるような高さになっていないかチェックしておきましょう。高すぎる枕だけでなく、小さすぎる枕にも要注意です。無理のない寝姿勢をキープできて、後頭部から首筋、肩までを自然に支えられる枕を用意することが大切です。
「肩こりからくる頭痛」は
どんなもの?
肩こり痛の症状で前述したように、肩こり痛が起きている際には頭痛を伴う場合もあります。
この頭痛について、具体的にどのような種類の頭痛かを解説します。
締めつけられるような痛み
多くの場合、肩こりやめまい、浮遊感などを伴いつつ、頭全体に締めつけられるような圧迫感と強い痛みが生じます。
「緊張型頭痛」にあたる場合が多い
肩こりからくる頭痛は、医学的には「緊張型頭痛」として知られる頭痛にあたる場合が多いです。これは一次性頭痛の一種であり、肩や首の筋肉の緊張やこりが原因で発生する頭痛です。
肩こりが原因の頭痛かどうかはタイミングと状況で判断
はちまきで強く締めつけられるような、頭全体の強い痛みがあれば緊張型頭痛に当てはまる場合が多いですが、肩こりや目まいといった併発症状があるか、いつから痛みを感じたかなど状況を踏まえながら判断していくことが大切です。
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肩周りの体操(肩こりからくる頭痛への対処にも)
肩周りの緊張をほぐす体操を日常的におこなえば、肩こりからくる頭痛(緊張型頭痛)への対処にもなります。ただし、痛みがつらい場合にはまず、市販の頭痛薬(解熱鎮痛薬)で痛みを緩和しましょう。それから、無理のない範囲で運動を試すことをおすすめします。
首の体操
頭の重みを感じながら、まずはゆっくりと首を前後に5回ほど、左右に5回ほど動かします。
その後、首で円を描くようにゆっくりと、時計回りに5回、反時計回りに5回ほど回します。
肩甲骨の体操
両肩をすくめるような動きでゆっくりと上げ下げします。10回ほど繰り返しましょう。その後、両肩を上げたあとに後ろ回しで下ろし、次にまた両肩を上げて今度は前回しで下ろします。この動作も10回ほど繰り返します。
腕の体操
両腕の肘を曲げた状態で、胸ほどの高さまで水平に上げます。頭は動かさないまま、体の軸を中心として肩を左右に半円ずつ回転させます。この動作を、数回繰り返しましょう。
肩の体操
脚を肩幅ほどに開いた後、肘を軽く曲げた状態の両腕を、内側へ、外側へというように回していきます。6セットほど繰り返しましょう。
肩こりや肩こり痛は
一時的なセルフケアだけでなく
根本的な改善が重要
肩こりや肩こり痛は、ここまで紹介したような日常生活の見直しやセルフケア、市販の頭痛薬の服用を行うだけでも対策となる場合が多く考えられますが、つらい症状が続く場合には、根本的な改善が必要となるでしょう。
マッサージや整体、病院の整形外科や内科など
肩こり痛には日常生活が原因のものと、病気が原因のものがあります。もし、セルフケアで緩和や改善がみられない場合にはマッサージや整体を試してみるのも1つの方法ですが、あわせて体の不調があるといったように病気の可能性が疑われる場合には、整形外科または内科など、医療機関を受診しましょう。
頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因と考えられる場合には整形外科、高血圧や更年期障害、内臓疾患などが原因と考えられる場合には内科というように、状況によって適した受診先が異なります。
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